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☆制震設計事務所のつぶやき – ①卓越周期と住宅破壊の関係性 2018年09月11日

東日本大震災と阪神大震災の地震動を比較するため、それぞれの測定地点付近の被害も確認

してみた。測定地点は、宮城県のK‒NET 築館とJR西日本の鷹取駅構内である。

築館では震度7 で全壊率0%であるのに対して、鷹取では震度6強で全壊率60%に迫る程だ。

単純にマグニチュードや震度の大小では建物被害は比例しないということになる。

 

阪神大震災は、全半壊の住宅が合わせて約25 万棟という大きな建物被害を起こした。

死者6,432名のうちの約80%が住宅倒壊による圧死と言われている。

なぜ、これほど倒壊したのか。東日本大震災と阪神大震災の応答スペクトルを分析する。

揺れの特徴を見ると、2つの地震に大きな違いがあることがわかる。

東日本大震災では短い周期の強い揺れが長時間続いたのに対して、阪神大震災では比較的

周期の長い揺れが観測されている。

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          「疑似加速度スペクトル」と「疑似速度応答スペクトル」の比較

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「国土技術政策総合研究所、K-NET 観測記録の応答スペクトル」から抽出

【東日本大震災=K-NET築館】 【阪神大震災=JR鷹取駅】  
加速度応答スペクトル   加速度応答スペクトル  
  周期0.2~0.3秒 3000ガル以上   周期0.2~0.3秒 2000~2500ガル
  周期1~1.5秒  300~500ガル       周期1~1.5秒  最高値2700ガル
速度応答スペクトル     速度応答スペクトル    
  周期0.2~0.3秒 最高値480カイン   周期0.2~0.3秒 80~130カイン
  周期1~1.5秒  60~90カイン   周期1~1.5秒  最高値530カイ

 

地震では震度の他に最大ガルとカイン値が発表されるが、この値が震災被害の大きさを示し

ていないことは良くある。

それはK-NET築館の「周期0.2~0.3秒のガル・カイン値」は、阪神大震災JR鷹取駅より大き

いが、阪神大震災JR鷹取駅に比べK-NET築館の「周期1~1.5秒のガル・カイン値」は、共に

小さいことに着目することが必要である。

木造家屋や中低層建物が大被害を起こす地震動は、短周期の最大ガルとカイン値ではなく、

周期1~1.5秒のガル・カイン値の大きさに関係するということになる。

 

ということは、ほとんどの木造家屋や中低層建物は0.1~0.5秒の固有周期を持つことは既に

わかっているが…本来の固有周期では、共振をしないはずのそれよりも長い周期1~1.5秒の

地震動で、大きな建物被害が起きるというのは奇妙な現象に思える。

 

次回へ続く………。

 

 

 

 

 

 

 

   
     
 
   
         
 
 

 

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